novel-builder
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Web小説執筆補助ツール
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novel-builder.js
篠宮樹里「絵子よ、Web小説の執筆を補助するツールをNode.jsで作ってみたぞ」
瀬尾絵子「何でもJavaScriptでやりたいんだねー……」
Description
このツールは、次のような方々を主なターゲットとして開発しています。
- 小説もNode.jsプロジェクトとして執筆(開発)したい!
- 開発で使い慣れたエディタ(VSCode等)を執筆にも使いたい!
- 原稿はMarkdown形式で書きたい!
- node.jsやnpmに抵抗がない。むしろ好き!
下記のような執筆補助機能を提供してします。
- 小説の原稿を各種小説投稿サイト向けの原稿に変換する機能
- 電書協 EPUB 3 制作ガイドに準拠したEPUBを作成する機能
- 小説をPNG画像で出力する機能
- 行頭に全角スペースを挿入する等の校正機能
- レポート出力機能
また、本ツールは開発途中のため、予告なく仕様の変更が行われることがあります。
それでもよろしければ、続きをお読みください。
Demo
このツールを組み込んだWeb小説をGitHubに公開しています。ご参考までに。
Installation
樹里「ではさっそく、このツールの使い方……というか、まずはNode.jsプロジェクトとして小説を執筆する方法について解説していこう」
絵子「お願いします」
準備
Node.jsをインストールする
樹里「まず最初にやるべき事は、Node.jsのインストールだ」
絵子「そりゃ、これがないと動かないからねー」
Node.jsプロジェクトを作成する
樹里「次に、Node.jsプロジェクトを作成しよう」
絵子「お、難しそうだね」
樹里「そんな事はない。ディレクトリをひとつ作るだけだ」
絵子「それだけ?」
樹里「ああ。その代わり、ディレクトリ名は半角英数字、ハイフン、アンダーバーのみを使用したほうがいい」
絵子「日本語は使わないほうがいいのね」
樹里「ちなみに、私達の活躍を書いたWeb小説『恋に落ちるコード.js』の
プロジェクト名はjk-meets-js
だ」
絵子「あ、そんな名前だったんだ」
package.jsonを作成する
樹里「続いて、このディレクトリがNode.jsプロジェクトであることを宣言するためのファイル、package.json
を作成しよう」
絵子「ここをNode.jsプロジェクトとする!」
樹里「ちゃんと専用のコマンドが用意されている。ターミナルで作成したディレクトリに移動し、次のコマンドを入力しよう」
npm init
絵子「英文が表示されたね」
樹里「必要なプロパティを対話形式で入力していくのだが、とりあえずエンターキーを押していけば完了する」
絵子「それでいいの?」
樹里「もちろん、それぞれの意味は理解しておいたほうがいい。特にライセンスの部分などはな。だが、最初はそれでいいだろう」
絵子「はーい」
ツールをインストールする
樹里「さて、プロジェクトが作成できたところで、いよいよ主役の登場だ」
絵子「いよっ、待ってました!」
樹里「本ツール『novel-builder』をインストールするためのコマンドがこれだ」
npm install novel-builder --save
樹里「ちなみに--save
オプションをつけることでpackage.json
に必要な情報を追記してくれる」
絵子「なるほど」
package.jsonを編集する(scripts
プロパティ)
樹里「では、出来上がったpackage.json
を開いてみよう」
絵子「おーぷん!」
樹里「先程npm init
で指定した各種設定がJSON形式で記述されている」
絵子「ほんとだ。name
とかversion
とか書いてあるね」
樹里「ちなみにインストールしたnovel-builderの情報はdependencies
に書かれている」
絵子「おー、あるある」
樹里「このpackage.json
の任意の場所に、下記の情報を手動で追加する必要がある」
"scripts": {
"novel-build": "novel-build",
"novel-build-alphapolis": "novel-build-alphapolis",
"novel-build-hameln": "novel-build-hameln",
"novel-build-kakuyomu": "novel-build-kakuyomu",
"novel-build-narou": "novel-build-narou",
"novel-build-note": "novel-build-note",
"novel-build-novelabo": "novel-build-novelabo",
"novel-png": "novel-png",
"novel-png-square": "novel-png-square",
"novel-png-paperback": "novel-png-paperback",
"novel-png-note-header": "novel-png-note-header",
"novel-png-twitter-header": "novel-png-twitter-header",
"novel-proofread": "novel-proofread",
"novel-publish": "novel-publish",
"novel-publish-horizontal": "novel-publish-horizontal",
"novel-publish-vertical": "novel-publish-vertical",
"novel-report": "novel-report"
},
絵子「なんだこりゃ」
樹里「このscripts
プロパティは、コマンド名と実行されるコマンドとを対比したものだ」
絵子「えーと、つまり、novel-build
とコマンド入力したらnovel-build
が実行されますよ、ということ?」
樹里「その通り。詳しい内容は順番に説明する」
絵子「はーい」
package.jsonを編集する(config
プロパティ)
樹里「それから、package.json
のconfig
プロパティを作成し、細かな動作を指定することもできるぞ」
"config": {
"episodes_dir": "episodes"
},
episodes_dir
原稿の保存先ディレクトリを変更することが出来ます。指定しない場合はepisodes
です。
必要なツールを追加インストールする
樹里「さて、準備の仕上げとして、次のコマンドで必要なツールを追加インストールしよう」
npm install
樹里「node_modules
ディレクトリ内に、動作に必要なパッケージ群が追加インストールされる」
絵子「ほんとだ。サブディレクトリがたくさんできてる」
樹里「これで環境は整った。次は……」
原稿を書く
絵子「ま、これが一番大事だよね。当たり前だけど」
樹里「そうなんだが、原稿の書き方にはいくつかルールがある」
- すべての原稿は、
episodes
ディレクトリ内に保存します。(前述の.env
ファイルで変更可) - 原稿はMarkdown形式で記述し、ファイル名は「001.md」「002.md」…のように連番となるよう保存します。
- ルビの記法は青空文庫注記形式とします。
- 傍点で表示したい箇所は
**
または__
で囲みます。 - 英数字は基本的に半角で記述します。
Usage
樹里「さて、ここからが本ツールの機能説明だ」
絵子「長い前置きだったねー」
樹里「ところで、原稿は書けたか?」
絵子「書けたよー。いやー、苦労した」
樹里「ご苦労。なお、とりあえず機能を試してみたいという方は、GitHubの『恋に落ちるコード.js』の
リポジトリをgit clone
で取得してみよう。ディレクトリ構成やpackage.json
の記述の参考になるだろう」
絵子「それを先に言いなさいよ」
校正機能を使用する(novel-proofread
)
樹里「では、まずは校正機能を使ってみよう」
npm run novel-proofread
樹里「上記コマンドを入力すると、原稿を自動で校正する」
絵子「おー、すごい」
樹里「ちなみに、このnovel-proofread
の部分が、先程追記したpackage.json
のscripts
プロパティの記述と対応している。つまり……」
"p": "novel-proofread"
樹里「……と書けば、npm run p
と入力するだけでnovel-proofread
コマンドが実行されるわけだ」
絵子「ま、proofread
なんて英単語、覚えにくいもんね。短いほうがいいや」
樹里「ただし、他のnpmをインストールしている場合、コマンド名が競合する可能性もあるのでそこは注意を」
絵子「ふむふむ」
樹里「では、実際にどう校正されるのか説明しよう」
novel-proofread
樹里「下記のような、一般的な小説のルールに基づいて文書を修正し、上書き保存する」
- 行頭に全角スペースを挿入します。ただし、下記と一致する行を除きます。
- 開き鉤括弧(「『)で始まる行
- Markdownの見出し記号(#)で始まる行
- 既に全角スペースが挿入されている行
- 空行
- 全角の感嘆符(!)、疑問符(?)のあとに全角スペースを挿入します。ただし、下記と一致する場合を除きます。
- 直後が感嘆符、疑問符、閉じ鉤括弧(」』)、半角スペースの場合
- 既に全角スペースが挿入されている場合
- 閉じ鉤括弧(」』)直前の全角スペースおよび句読点(、。)を削除します。
- 三点リーダー(…)の連続回数が奇数だった場合、もう一つ追加します。
- ダッシュ(―)の連続回数が奇数だった場合、もう一つ追加します。
- 鉤括弧の開きと閉じの書式が異なる場合、開きの鉤括弧の書式に統一します。
- 「〜』という文が合った場合、「〜」に変換します。
樹里「つまり、」
「樹里!貴女はなんて素敵なの!?それにひきかえ私は…」
絵子の表情が曇る。
樹里「これが」
「樹里! 貴女はなんて素敵なの!? それにひきかえ私は……」
絵子の表情が曇る。
樹里「というように校正されるわけだ」
絵子「……何なのよこの例文」
ファイル変換機能を使用する(novel-build
)
樹里「次は、原稿を変換して出力する機能だ」
npm run novel-build
樹里「コマンドを入力すると、dist
ディレクトリが作成され、変換された原稿が出力される」
絵子「おー、すごい」
樹里「これも同じく……」
"b": "novel-build"
樹里「……と書けば、npm run b
でnovel-build
コマンドが実行される」
絵子「短いコマンドは正義だね」
樹里「それで、そもそもこのコマンドは何のためにあるかと言うとだな。投稿先のサイトによって、レイアウトや仕様の違いがあるわけだ」
絵子「横書きとか、縦書きとか?」
樹里「そう。あとは、ルビ文字の記法とかな。それらの違いに合わせて別々の原稿を作成するのが面倒なので、一つの原稿をそれぞれのサイトの仕様に合わせて変換しよう……というのがこの機能だ」
絵子「らいとわんす、らんえにーうぇあってやつだね」
樹里「このコマンドは、投稿先のサイトの特性に合わせて既定の変換ルールが設定されている。縦書きレイアウトなら英数字を全角に変換する、など。しかし、コマンドの引数によって別のルールを適用することもできるぞ」
絵子「へー」
樹里「それでは、一つ一つ説明しよう。まずはサイト毎の既定の変換ルール、次に引数(起動オプション)の説明だ」
novel-build
下記全てのファイルを一度に出力します。
novel-build-alphapolis
dist/hameln
ディレクトリに、アルファポリス向けの原稿をプレーンテキストで出力します。
既定の変換ルール:
- ルビ記法: アルファポリス書式に変換します(
emphasis=alphapolis
)。 - 強調記号: 削除します(
emphasis=none
)。 - 半角英字: そのまま出力します。
- 半角数字: そのまま出力します。
novel-build-hameln
dist/hameln
ディレクトリに、ハーメルン向けの原稿をプレーンテキストで出力します。
既定の変換ルール:
- ルビ記法: ハーメルン書式に変換します(
emphasis=hameln
)。 - 強調記号: 傍点記法に変換します(
emphasis=bracket
)。 - 半角英字: そのまま出力します。
- 半角数字: そのまま出力します。
novel-build-kakuyomu
dist/kakuyomu
ディレクトリに、カクヨム向けの原稿をプレーンテキストで出力します。
既定の変換ルール:
- ルビ記法: そのまま出力します。
- 強調記号: 傍点記法に変換します(
emphasis=bracket
)。 - 半角英字: そのまま出力します。
- 半角数字: そのまま出力します。
novel-build-narou
dist/narou
ディレクトリに、小説家になろう向けの原稿をプレーンテキストで出力します。
エブリスタ、NOVEL DAYSにも対応しています。
既定の変換ルール:
- ルビ記法: そのまま出力します。
- 強調記号: 削除します(
emphasis=none
)。 - 半角英字: そのまま出力します。
- 半角数字: そのまま出力します。
novel-build-note
dist/note
ディレクトリに、note向けの原稿をプレーンテキストで出力します。
既定の変換ルール:
- ルビ記法: 括弧書きに変換します(
ruby=paren
)。 - 強調記号: 削除します(
emphasis=none
)。 - 半角英字: そのまま出力します。
- 半角数字: そのまま出力します。
novel-build-novelabo
dist/novelabo
ディレクトリに、ノベラボ向けの原稿をプレーンテキストで出力します。
既定の変換ルール:
- ルビ記法: そのまま出力します。
- 強調記号: 削除します(
emphasis=none
)。 - 半角英字: 全角英字に変換します(
alphabet=full
)。 - 半角数字: 全角数字に変換します(
number=full
)。
引数(起動オプション)
コマンド実行時に引数(起動オプション)を指定することで、変換ルールを細かく指定することができます。
引数は、npm run novel-build -- number=tcy
というように、コマンドの末尾に--
とスペースに続けて記述します。
複数の引数を指定することもできます。その場合は、number=tcy ruby=html
というようにスペースで区切って指定します。
ルビ記法の変換:
ruby=html
ルビ記法をHTMLに変換します。
「|絵子《えこ》」は「<ruby>絵子<rt>えこ</rt></ruby>
」に変換されます。
ruby=paren
ルビ記法を括弧書きに変換します。括弧は全角括弧です。
「|絵子《えこ》」は「絵子(えこ)」に変換されます。
ruby=none
ルビ文字を除去します。
「|絵子《えこ》」は「絵子」に変換されます。
強調記号(傍点)の変換:
emphasis=alphapolis
ルビ記法をアルファポリス書式に変換します。
「|絵子《えこ》」や「絵子《えこ》」は「#絵子__えこ__#」に変換されます。
emphasis=hameln
ルビ記法をハーメルン書式に変換します。
ハーメルンでのルビ開始記号は半角の縦棒(|)のみが指定でき、漢字の連続であっても省略はできません。
「|絵子《えこ》」や「絵子《えこ》」は「|絵子《えこ》」に変換されます。
emphasis=bracket
強調記号を傍点記法に変換します。
「**樹里**」は「《《樹里》》」に変換されます。
emphasis=sesame
強調記号を傍点(ゴマ点)で表示するHTMLに変換します。
※実際には、<span class="em-sesame">樹里</span>
というHTMLに変換されるだけなので、傍点で表示させるCSSは別途指定する必要があります。
電書協 EPUB 3 制作ガイドでは、下記のCSSが適用されています。
-webkit-text-emphasis-style: filled sesame;
-epub-text-emphasis-style: filled sesame;
emphasis=none
強調記号を除去します。
「**樹里**」は「樹里」に変換されます。
半角英字の変換:
alphabet=full
半角英字、アンド記号(&)、カンマ(,)、ピリオド(.)を全角に変換します。
半角数字の変換:
number=tcy
半角数字を、3桁以下は縦中横で表示するHTMLに、4桁以上は全角数字に変換します。
※実際には、<span class="tcy">123</span>
というHTMLに変換されるだけなので、縦中横で表示させるCSSは別途指定する必要があります。
電書協 EPUB 3 制作ガイドでは、下記のCSSが適用されています。
-webkit-text-combine: horizontal;
-webkit-text-combine-upright: all;
text-combine-upright: all;
-epub-text-combine: horizontal;
number=kan
半角数字を漢数字に変換します。
number=full
半角数字を全角数字に変換します。
symbol=[\W+]
指定された記号(非単語構成文字)を全角に変換します。
例えば、「#」「$」「%」の記号を全角に変換したい場合はsymbol=#$%
と入力します。
EPUB出力機能を使用する(novel-publish
)
樹里「次は、EPUBを出力する機能だ」
絵子「EPUBって、電子書籍のフォーマットだよね。そんなのもできるんだねー」
樹里「それも、電書協 EPUB 3 制作ガイドに準拠したEPUBが……」
npm run novel-publish
樹里「のコマンド一つで出来上がる」
絵子「ほえー。こりゃ便利だ」
樹里「また、novel-build
コマンドの時と同じ引数(起動オプション)も指定できるぞ」
novel-publish
下記全てのファイルを一度に出力します。
novel-publish-horizontal
dist
ディレクトリに、横書きレイアウトのEPUBファイルを出力します。ファイル名は『(パッケージ名)-h.epub』となります。
既定の変換ルール:
- ルビ記法: HTMLに変換します(
ruby=html
)。 - 強調記号: 傍点(ゴマ点)で表示するHTMLに変換します(
emphasis=sesame
)。 - 半角英字: そのまま出力します。
- 半角数字: そのまま出力します。
novel-publish-vertical
dist
ディレクトリに、縦書きレイアウトEPUBファイルを出力します。ファイル名は『(パッケージ名)-v.epub』となります。
既定の変換ルール:
- ルビ記法: HTMLに変換します(
ruby=html
)。 - 強調記号: 傍点(ゴマ点)で表示するHTMLに変換します(
emphasis=sesame
)。 - 半角英字: 全角英字に変換します(
alphabet=full
)。 - 半角数字: 全角数字に変換します(
number=full
)。
必要なファイル
樹里「EPUBファイルを作成するためには、原稿以外にいくつかのファイルを準備する必要がある」
絵子「一冊の本を作るわけだからね。準備は大事だね」
樹里「すべてのファイルは、プロジェクトディレクトリ直下にepubというディレクトリを作り、そこに保存する」
絵子「おっけー」
cover.jpg (表紙画像)
樹里「表紙に使用する画像ファイルを、cover.jpg
というファイル名でepubディレクトリに保存する」
絵子「ちなみに、Amazon KDPだと、
縦2,560 x 横1,600 ピクセルというサイズが推奨されているよ」
fmatter.md (前付)
樹里「書籍の前付にあたる文章をMarkdown形式で記述し、fmatter.md
というファイル名でepubディレクトリに保存する」
絵子「目次より前に書いてある、序文とか謝辞とかのことだね。『支えてくれた妻と娘に捧げる。』とか書いてあるやつ」
樹里「なお、このファイルがない場合、前付部分は作成しない」
titlepage.md (本扉ページ)
樹里「書籍の本扉にあたる文章をMarkdown形式で記述する」
絵子「タイトルや著者名が書いてあるページだね」
樹里「これも、ファイルがない場合は作成しない」
caution.md (注意書きページ)
樹里「書籍の注意書きにあたる文章をMarkdown形式で記述する」
絵子「無断転載はダメだぞ!とか」
樹里「これも同じく、ファイルがなければ作成しない」
colophon.md (奥付ページ)
樹里「書籍の奥付にあたる文章をMarkdown形式で記述する」
絵子「最後の部分だね。出版社名とか発行日とか書いてあるページ」
樹里「これもファイルがない場合は作成しないぞ」
package.jsonを編集する(config
プロパティ)
樹里「それから、package.json
のconfig
プロパティを作成し、必要な項目を追加する必要がある」
"config": {
"epub_title": "恋に落ちるコード.js",
"epub_title_file_as": "こいにおちるこーどどっとじぇいえす",
"epub_author": "足羽川永都",
"epub_author_file_as": "あすわがわえいと",
"epub_publisher": "8novels",
"epub_publisher_file_as": "えいとのべるず"
},
絵子「こんな感じで書いてね!」
epub_title
書籍のタイトルを記述します。
epub_title_file_as
書籍のタイトルの読みがなを記述します。
epub_author
著者名を記述します。
epub_author_file_as
著者名の読みがなを記述します。
epub_publisher
出版社名を記述します。
epub_publisher_file_as
出版社名の読みがなを記述します。
PNG出力機能を使用する(novel-png
)
樹里「小説をPNG画像として出力する機能もあるぞ」
絵子「どういう時に使うの?」
樹里「例えば、Instagramなどに掌編小説を公開したい時に使う」
絵子「あー、なるほど」
npm run novel-png
樹里「というコマンドで、dist/png
ディレクトリに画像を出力できるぞ」
novel-png
PNG画像を出力します。高さは1,080px固定で、幅は文章の長さによって変わります。
novel-png-square
正方形のPNG画像を出力します。
幅・高さともに1,080pxとなります。はみ出した文章は表示されません(以下同じ)。
novel-png-paperback
文庫本と同じ比率のPNG画像を出力します。
幅が766px、高さが1,080pxとなります。
novel-png-note-header
noteのヘッダに適したPNG画像を出力します。
幅が1,280px、高さが670pxとなります。
novel-png-twitter-header
Twitterのヘッダに適したPNG画像を出力します。
幅が1,500px、高さが500pxとなります。
引数(起動オプション)
novel-build
コマンド実行時と同じ引数を指定できます。
スタイルシートを適用する
樹里「プロジェクトディレクトリ直下にpngというディレクトリを作り、その中にpng.cssという名前でスタイルシートを保存すれば、独自のスタイルを適用させることもできる」
絵子「どんな風に書いたらいいのかな?」
樹里「既定のスタイルは300文字前後の掌編を出力するのに適しているが、それより長い文章の場合はfont-size
を調整したほうが読みやすい。高さ1,080pxの場合、大体20〜21pxくらいで1行40文字くらいになる」
絵子「へー」
樹里「あとは、行間(line-height
)、文字間(letter-spacing
)、余白(padding
)、背景色(background-color
)あたりだな、調整するとしたら。もちろん、背景画像を指定したり、フォントを指定したり、他にも色々調整できるぞ」
レポート機能を使用する(novel-report
)
樹里「最後に、原稿を分析してレポートを出力する機能だ」
絵子「そんな機能まで付けたんだ。至れり尽くせりだね」
npm run novel-report
樹里「コマンドを入力すると、report.html
ファイルに分析した内容が出力される」
絵子「ほー」
novel-report
レポートを出力します。下記の統計情報が出力されます。
- 原稿の文字数(全体・章別)
- 半角スペース・改行を除いた文字数
- さらに全角スペースを除いた文字数
- さらにルビ文字を除いた文字数
- さらに章タイトルを除いた文字数
- 原稿用紙に換算した場合の枚数(全体・章別)
- 原稿の行数
- 台詞(鉤括弧で始まる行)の行数・割合
- 地の文(全角スペースで始まる行)の行数・割合
- その他の文字で始まる行(章タイトル等)の行数・割合
- 空行の行数・割合
novel-build
コマンドで変換対象となる文字の一覧- ルビ文字
- 半角数字
- 半角英字
GitHubに公開する
樹里「では最後に、執筆した原稿をリモートリポジトリとしてGitHubに公開する際の注意点を説明しておこう」
絵子「GitHubに公開するの?」
樹里「別に必須ではないが、リモートリポジトリを作成しておくと、外出先で執筆できたり、共同執筆が出来たりとなかなか便利だ。他人に見られたくない場合はプライベートリポジトリにすればいい」
絵子「ふーん」
.gitignoreについて
樹里「.gitignoreとは、Gitの管理下から除外するファイルを指定するための設定ファイルだ」
絵子「アップロードしたくないファイルを指定するんだね。node_modules
ディレクトリとか」
絵子「GitHubのリモートリポジトリで.gitignoreというファイルを新規作成すると、テンプレートを選択できるので、Node用を指定すればいい。これが一番手っ取り早い」
ライセンスについて
樹里「さて、リポジトリをパブリックとして公開する場合は、ライセンスの表記を真面目に考える必要がある」
絵子「ライセンスってどこかで指定してたっけ?」
樹里「最初にpackage.json
を作成した時に指定したはずだ」
絵子「あ、そうだった。そのままエンターキーを押したからISCになってる」
樹里「そのように、自分の意図とは異なるライセンスが適用されていないかどうか、公開前には十分に配慮しよう。ま、package.json
からlicense
プロパティを除外しておくのが最も無難だな」
樹里「以上で説明は終了だ。わずらわしい事はすべてプログラムに任せ、執筆に集中しようじゃないか」
絵子「よーし、やるぞー!」
Requirement
このツールは、下記のライブラリを使用しています。
- archiver
- EPUB作成時のZIP圧縮
- fs-extra
- ファイル読み書き
- jp-wrap
- 原稿用紙換算での文字数計算
- kansuji
- 漢数字への変換
- markdown-it
- MarkdownをHTMLに変換
- mustache
- レポート用HTMLを出力
- puppeteer
- キャプチャ画像を出力
Todo
- [x] 対応する形式を増やす(ハーメルン、アルファポリス、etc)
- [x] EPUB変換時に全角スペースが消失する問題の対応
- [x] 自動フォーマット機能(全角インデント挿入等)の実装
- [x] 画像出力機能の実装
- [x] READMEに「
package.json
に記述するライセンス表記について」を追記 - [x] READMEに「.gitignoreの書き方」を追記
- [x] 縦書き原稿への変換時、数字を漢数字や縦中横に変換できるオプションを追加
Author
このツールは Xubuntu 18.04 上で Visual Studio Code で開発しています。
Windows、OS X等での動作確認は行っておりません。ご了承ください。